其の九 DTMドラム音源おすすめランキング7選の完全ガイド!曲の心臓部を司る最高のビートを手に入れる


楽曲のクオリティを一番左右するのはドラムの音だと思っています。以前はDAW付属のチープな音を使っていましたが、専用音源に変えた瞬間、曲が「プロっぽく」聴こえるようになりました。ドラム音源への投資はDTMの中で最もコスパが良かったと感じています。

種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない、という方のために打ち込みのコツも含めて解説します。

ドラムと合わせて使うとサウンドが豊かになるシンセ音源の選び方はこちら。 ▶ DTMシンセ音源プラグインのおすすめランキング


DTMドラム音源をランキングで選ぶ前に!おすすめの基礎知識と制作テクニック

DTMドラム音源をランキングで選ぶ前に!おすすめの基礎知識と制作テクニック

DTMでリアルなドラムパートを作成するには、ただ音源を選ぶだけでなく、ドラムそのものや制作テクニックに関する基礎知識が不可欠です。ここでは、おすすめの音源を紹介する前に、知っておくべき重要なポイントを分かりやすく解説します。

  • ドラムの種類
  • レコーディングと打ち込みの違い
  • 打ち込みは面倒くさい?
  • 打ち込みを生っぽくするテクニック
  • パッドとキーボードでの打ち込み方法

ドラムの種類

ドラムの種類

DTMで扱うドラムは、大きく分けて「アコースティックドラム」と「エレクトロニックドラム(電子ドラム)」の2種類に分類されます。それぞれの音源がどちらのドラムをシミュレートしているのかを理解することは、音源選びの第一歩です。

アコースティックドラムは、一般的にロック、ポップス、ジャズ、ファンクなど、生演奏が主体となるジャンルで使われるドラムセットを指します。キック、スネア、ハイハット、タム、シンバル類といった各パーツを、実際のドラマーが叩いて出す音です。DTM音源におけるアコースティックドラムは、スタジオで一流の機材を使って丁寧に録音されたサウンドを収録しており、そのリアルさが魅力です。

一方、エレクトロニックドラムは、シンセサイザーなどで電子的に作られたサウンドや、サンプリングされた音を加工したサウンドを指します。TR-808やTR-909といった名機が有名で、EDM、ヒップホップ、テクノなどのダンスミュージックで多用されます。どちらのサウンドを求めているのかを明確にすることが、理想のDTMドラム音源を見つけるための近道となります。

レコーディングと打ち込みの違い

レコーディングと打ち込みの違い

ドラムパートの制作方法には「生ドラムのレコーディング」と「DTMでの打ち込み」の2つのアプローチがあります。

レコーディングは、実際にドラマーが演奏した音をマイクで録音する方法です。最大のメリットは、その場でしか生まれないグルーヴや人間的な「揺れ」をそのまま楽曲に取り込める点です。

しかし、スタジオや機材の確保、優秀なドラマーのアサインなど、コストと手間がかかるのが大きなデメリットです。一方、打ち込みは、DAW(音楽制作ソフト)のピアノロールやステップシーケンサーを使い、MIDIデータとしてドラムパターンを構築していく方法です。最大のメリットは、場所や時間を選ばず、一人で完結できる手軽さと、後からフレーズや音色をいくらでも修正できる柔軟性の高さです。

近年のDTMドラム音源は非常に高品質なため、打ち込みでもレコーディングに匹敵する、あるいはそれ以上のサウンドを作ることも不可能ではありません。この「打ち込み」の手軽さとクオリティを両立させてくれるのが、今回紹介するドラム音源なのです。

打ち込みは面倒くさい?

打ち込みは面倒くさい?

「ドラムの打ち込みは地味で面倒くさい作業だ」と感じてしまう方は少なくありません。特に、マウスで一音一音クリックしていく作業は、クリエイティブな感覚から遠ざかってしまうように思えるかもしれません。しかし、この「面倒くささ」は、ツールと知識で乗り越えることができます。

例えば、多くのドラム音源には、プロドラマーが演奏した膨大なMIDIパターンが付属しています。これをドラッグ&ドロップするだけで、基本的なビートはすぐに完成します。また、MIDIキーボードやドラムパッドを使えば、指で叩いて直感的にフレーズを入力でき、作業が格段に楽しくなります

さらに、面倒だと感じる「ベロシティ(音の強弱)調整」や「タイミングの微調整」こそが、ドラムに命を吹き込む最も重要なプロセスです。この一手間をかけることで、機械的なビートが人間的なグルーヴへと変化するのです。

面倒な作業と捉えるのではなく、楽曲の心臓部を自分の手で作り上げる、クリエイティブな工程だと考えてみましょう。

打ち込みを生っぽくするテクニック

打ち込みを生っぽくするテクニック

DTMのドラム打ち込みを、いかに生演奏のように聴かせるか。これは多くのクリエイターが追求するテーマです。機械っぽさをなくし、生っぽくするためのテクニックはいくつか存在します。

最も重要なのが「ベロシティ(音の強弱)の調整」です。人間のドラマーは、一打一打まったく同じ強さで叩くことはありません。特にハイハットやスネアの連打では、アクセントを意識して強弱を細かくつけることで、自然なグルーヴが生まれます

次に重要なのが「クオンタイズの揺らし」です。クオンタイズとは、入力したノートを正確なグリッド(拍)に合わせる機能ですが、これを100%適用すると機械的な印象になります。あえてタイミングを少しだけ前後にずらす「ヒューマナイズ」機能を使ったり、手動で微調整したりすることで、人間らしいリズムの揺れを再現できます。

さらに「ゴーストノート」の活用も効果的です。ゴーストノートとは、スネアドラムなどで聴こえるか聴こえないかくらいの小さな音で叩く装飾音符のことで、これを加えるだけでフレーズの密度とグルーヴ感が格段にアップします。これらのテクニックを駆使することで、あなたの打ち込みは格段に生っぽくなります。

パッドとキーボードでの打ち込み方法

パッドとキーボードでの打ち込み方法

ドラムの打ち込みを効率的かつ直感的に行うには、MIDIコントローラーの活用がおすすめです。代表的なものに「MIDIパッド」と「MIDIキーボード」があります。MIDIパッドは、AKAIのMPCシリーズに代表されるような、正方形のパッドが並んだコントローラーです。各パッドにキック、スネア、ハイハットなどの音を割り当て、指で叩いて演奏します。

実際のドラムを叩く感覚に近いため、リズムを直感的に入力したい場合に最適です。フィンガードラムと呼ばれるパフォーマンスにも使われ、楽しみながら打ち込みができます。

一方、MIDIキーボードは、鍵盤を使って打ち込みを行う方法です。多くのドラム音源では、鍵盤の各キーにドラムの各パーツが割り当てられています(これをドラムマップと呼びます)。例えばC1がキック、D1がスネアといった具合です。

キーボード演奏に慣れている人にとっては非常に効率的な方法であり、メロディーやコードを入力するキーボードと兼用できるのが大きなメリットです。どちらの方法が良いかは個人の好みや慣れによりますが、マウスでのクリック入力からステップアップすることで、制作のスピードと楽しさが大きく向上することは間違いありません。


【プロ定番】おすすめDTMドラム音源ランキング7選を徹底比較!理想のサウンドを見つける

【プロ定番】おすすめDTMドラム音源ランキング7選を徹底比較!理想のサウンドを見つける

ここからは具体的なおすすめDTMドラム音源を紹介します。定番製品から新しいアプローチの製品まで、それぞれの特徴を解説します。

  • XLN AUDIO 「Addictive Drums」
  • TOON TRACK 「Superior Drummer」
  • TOON TRACK 「EZ Drummer」
  • IK Multimedia 「MODO DRUM」
  • FXpansion 「BFD3」
  • Steven Slate Drums 「SSD5」
  • XLN Audio 「XO」は次世代型DTMドラム音源としておすすめ

1位  XLN AUDIO 「Addictive Drums」

XLN Audioの「Addictive Drums 2」は、世界中のプロデューサーやミュージシャンから絶大な支持を得ている定番DTMドラム音源です。その最大の魅力は、「即戦力になるサウンド」と「軽快な動作」、そして「直感的な操作性」の3つに集約されます。

インストールしてすぐに、様々なジャンルに最適化された高品質なプリセットが多数用意されており、難しい音作りをしなくても、楽曲に混ぜるだけでプロクオリティのドラムサウンドが完成します。ロック、メタル、ジャズ、インディーロックなど、多彩な拡張音源を追加することで、あらゆる音楽ジャンルに対応できるのも強みです。

また、ソフトウェア自体の動作が非常に軽いため、比較的スペックの低いPCでもストレスなく使用できます。内蔵ミキサーやエフェクトも非常に優秀で、音のキャラクターをガラリと変えるような大胆な音作りから、細かいニュアンスの調整まで、ユーザーの思うがままです。

Addictive Drums 2は、動作が軽く初心者でも扱いやすい点が長所で、最初の一台として選びやすい音源です。

2位  TOON TRACK 「Superior Drummer 3」

「至高のドラム音源」を求めるなら、TOON TRACKの「Superior Drummer 3」をおいて他に選択肢はないかもしれません。これは単なるドラム音源ではなく、ドラムサウンドを構築するための「総合的な制作環境」と呼ぶべきソフトウェアです。

最大の特徴は、その圧倒的なサウンドクオリティと、他の追随を許さないほどの自由度の高さにあります。世界トップクラスのスタジオで、伝説的なエンジニアによってレコーディングされた230GBを超える膨大なサウンドライブラリは、まさに本物そのもの

マイク一本一本の音量や定位、ブリード(他のマイクへの音のかぶり)まで細かく調整できる内蔵ミキサーは、まるで本物のスタジオでミキシングしているかのような感覚をユーザーに与えます。さらに、オーディオデータをMIDIに変換する機能や、高度なグルーヴ編集機能など、クリエイターの創造性を刺激する機能が満載です。

Superior Drummer 3は、要求スペックと価格は高めですが、ドラムサウンドに妥協したくない方には有力な選択肢です。

3位  TOON TRACK 「EZ Drummer 3」

「Superior Drummer3」と同じTOON TRACK社が開発する「EZ Drummer 3」は、その名の通り「簡単な」操作性をコンセプトにしたDTMドラム音源です。特に、作曲家やソングライターにとって最高の相棒となるように設計されています。複雑な機能を削ぎ落とし、素早く楽曲の骨格となるドラムパートを作ることに特化しています。

最大の特徴は、強力な作曲支援機能である「Bandmate」です。この機能にギターやベース、キーボードなどのオーディオフレーズやMIDIフレーズを読み込ませると、AIがその内容を解析し、最適なドラムパターンを自動で生成してくれます。これにより、ドラムの知識が少ない人でも、自然で音楽的なビートをあっという間に作り出すことができます。

また、膨大なMIDIグルーヴライブラリの中から、イメージに近いものを簡単に見つけ出せる検索機能も非常に優秀です。もちろん、サウンドクオリティも素晴らしく、兄貴分であるSuperior Drummer譲りの高品質なサウンドを手軽に扱うことができます。

EZ Drummer 3は、ドラムの打ち込みが苦手な方や、作曲スピードを上げたい方に向いている音源です。

4位  IK Multimedia 「MODO DRUM」

IK Multimediaの「MODO DRUM」は、これまで紹介してきたサンプリング音源とは一線を画す、「物理モデリング」という技術を採用した革新的なDTMドラム音源です

。サンプリング音源が録音された音を再生するのに対し、物理モデリング音源は、ドラムの素材、サイズ、叩き方といった物理的な要素をリアルタイムで計算(シミュレート)して音を生成します。この技術の最大のメリットは、圧倒的なカスタマイズ性の高さです。

ドラムのシェル(胴)の材質や口径、深さ、ヘッド(皮)の張り具合、さらにはスティックの種類や叩く位置まで、サウンドに影響を与えるほぼ全ての要素を自由自在に変更できます。これにより、既存のドラムキットの枠を超えて、自分だけのオリジナルドラムセットを仮想空間に作り上げることが可能です。

パラメーターを動かすとサウンドがリアルタイムに変化するため、音作りのプロセスそのものを楽しむことができます。サウンドは非常にリアルでありながら、サンプリング音源に比べてディスク容量が非常に小さいのも魅力です。

MODO DRUMは、物理モデリングならではのカスタマイズ性を楽しみたい、探求心のある方に向いています。

5位  FXpansion 「BFD3」

リアルなアコースティックドラムサウンドを徹底的に追求するなら、FXpansionの「BFD3」も有力な選択肢です。この音源は、特に「生々しさ」と「ディテールの再現性」において高い評価を受けています。

BFD3のサウンドライブラリは、非常に繊細なゴーストノートから、パワフルなフルショットまで、極めて広いダイナミクスレンジで収録されており、人間のドラマーが持つ表現力を忠実に再現します。

特筆すべきは、アンビエンスマイク(部屋の響きを録るマイク)の細かなコントロール機能です。複数のアンビエンスマイクの音量や定位を個別に調整することで、ドライでタイトなサウンドから、ホールで鳴っているかのような壮大なサウンドまで、空間表現を自在にコントロールできます。また、内蔵のグルーヴエディターも非常に高機能で、人間的な揺らぎやニュアンスを簡単に追加することができます。

サウンドの傾向としては、加工感が少なく、非常にナチュラルでオーガニックなキャラクターを持っています。Addictive DrumsやSSD5のような「ミックス済みの派手な音」とは対極にある

BFD3は、ナチュラルな質感を重視するロック・ジャズ・カントリー系の制作に向いています。

6位  Steven Slate Drums 「SSD5」

Steven Slate Drumsの「SSD5.5」は、「ミックス済みの即戦力サウンド」を求めるクリエイターにとって、最も手っ取り早い解決策となるDTMドラム音源です。開発者であるスティーヴン・スレイトは、業界で著名なミキシングエンジニアであり、彼が手がけたドラムサウンドは、まさにヒットチャートで鳴っているような、パワフルでパンチのあるサウンドそのものです。

SSD5の最大の特徴は、難しい設定をせずとも、プリセットを選ぶだけで、すでに完璧にミキシングされたドラムサウンドが得られる点にあります。キックは太く、スネアは抜けが良く、シンバルは煌びやか。まさに「こうあってほしい」という理想的なドラムサウンドが、クリック一つで手に入ります。

特にモダンなロック、ポップス、メタルといったジャンルとの相性は抜群です。インターフェースも非常にシンプルで分かりやすく、直感的に操作できます。もちろん、各パーツの音量やパンを調整したり、他のキットのパーツと入れ替えたりするカスタマイズも可能です。

SSD5.5は、ミックスに時間をかけずにパンチのあるドラムサウンドが欲しい方に向いています。

7位  XLN Audio 「XO」

最後に紹介するXLN Audioの「XO」は、これまでのDTMドラム音源とは全く異なるコンセプトを持つ、まさに次世代のツールです。XOは、あなたがPC内に持っている膨大なワンショットのドラムサンプル(キック、スネア、ハイハットなど)を、AIが自動で解析し、その音響特性に応じて宇宙空間のようなビジュアルマップ上に配置してくれます。

似た音は近くに、異なる音は遠くに配置されるため、直感的にサンプルを探し出すことができます。これは、フォルダを一つ一つ開いてサンプルを探すという、従来の面倒な作業からの解放を意味します。さらに、XOの強力なシーケンサーを使えば、これらのサンプルを組み合わせて素早くビートを作成できます。

サンプルのランダム機能や、似たサンプルに瞬時に差し替える機能は、予期せぬサウンドの組み合わせを生み出し、あなたの創造性を大いに刺激してくれるでしょう。XOはアコースティックドラムキットをシミュレートする音源ではありません。

ヒップホップやEDM、エレクトロニカなど、サンプルを組み合わせてビートを構築するジャンルのクリエイターにとっては、革命的なワークフローを提供します。

XOは、手持ちのサンプルをAIで整理しながらビートを作りたいヒップホップ・EDM系のクリエイターに向いています。

【記事全体のまとめ】理想のドラム音源おすすめランキングで見つけるための10のポイント

ドラム音源はジャンルと目的で選び方が変わります。即戦力サウンドが欲しいならAddictive Drums 2かSSD5、本格的な音作りをしたいならSuperior Drummer 3かBFD3、作曲支援が欲しいならEZ Drummer 3、物理モデリングを試したいならMODE DRUM、サンプルベースのビートメイクならXOが向いています。

付属音源から専用ドラム音源に変えるだけで、曲の印象は大きく変わります。迷ったらまずデモ版を試してみるのが一番確実です。

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