其の六 DTM初心者に最適なMIDIキーボードの選び方とおすすめモデル8選

DTMに最適な MIDIキーボードの選び方とおすすめモデル8選

DTM(デスクトップミュージック)を始めたばかりの方なら、「MIDIキーボードって本当に必要なの?」と疑問に感じることが多いでしょう。結論から言うと、MIDIキーボードがあると、作業効率が格段にアップし、より自由に音楽制作が楽しめるようになります。

なぜなら、パソコンのキーボードで一音ずつ打ち込むのと比べて、MIDIキーボードならリアルタイムで演奏しながらフレーズを入力できるため、細かなニュアンスや感情を表現しやすくなるからです。

初心者でも演奏の楽しさを感じながら制作でき、鍵盤に触れることで音楽の理解も深まる。また、見た目のかっこよさが制作意欲を高め、続けるモチベーションにもつながります

さらに、最近のMIDIキーボードはコンパクトで軽量、Bluetooth対応やオーディオインターフェース内蔵モデルなど、多彩な機能を備えています。これからDTMを始める初心者から中級者まで、自分に合ったモデルが必ず見つかるでしょう。

そこで今回は、DTM初心者にもわかりやすく、MIDIキーボードの種類や特徴、おすすめ機種を詳しく解説し、あなたの音楽制作がより楽しく効率的になれば幸いです。

MIDIキーボードの鍵盤数の違い

MIDIキーボードの鍵盤数は25鍵、32・37鍵、49鍵、61鍵、88鍵と多彩で、それぞれに特徴があります。どの鍵盤数を選ぶかは、あなたがどのような音楽を作りたいか、どんな演奏スタイルを目指すかによって大きく変わります。

鍵盤数が多いほど音域が広がり、より複雑で豊かな演奏が可能になりますが、その分サイズも大きくなり持ち運びに不便になることもあります。逆に鍵盤数が少なければ、コンパクトで持ち運びやすいですが、演奏の自由度は限定されます。

25鍵

最もコンパクトで軽量。特に外出先や狭いスペースでの使用に適しています。簡単なメロディーやコード進行の入力に向いており、初心者や外でのアイデアスケッチにおすすめです。たとえば、作曲途中で突然浮かんだフレーズをすぐに入力したい時、持ち運びやすさは大きな利点になります。

25鍵

32~37鍵

25鍵よりも音域が広くなり、より多様なフレーズを演奏可能です。ベースラインからメロディーまで一通りカバーできるため、シンセサイザーの演奏やアルペジオ入力にも便利です。自宅での制作がメインの方や、ある程度の表現力を求める中級者に適しています

32~37鍵

49鍵

初心者から中級者まで幅広く支持される標準的なサイズです。携帯性と演奏性のバランスが良く、多彩なジャンルの音楽制作に向いています。DTMにおける基本的な入力作業が快適に行えるため、初めての本格的な鍵盤として選ばれることが多いです。小規模なライブパフォーマンスでも扱いやすいのが魅力です。

49鍵

61鍵

49鍵よりさらに音域が広がり、ピアノ演奏に近い感覚で弾けます。両手で複雑なフレーズやコード進行を弾くことが可能で、表現力の幅が大きく広がります。よりクリエイティブな制作を目指す人や、本格的なパート演奏をしたい方に最適です。たとえば、ジャズやクラシックの曲作りにも対応できます。

61鍵

88鍵

フルサイズピアノ鍵盤のため、ピアノ経験者や本格的な鍵盤演奏を目指す方に最もおすすめです。クラシック音楽、ジャズ、映画音楽の制作にも対応可能で、リアルな演奏感を追求する人にピッタリです。重量と大きさはありますが、演奏表現の細かなニュアンスを活かせるのが大きな魅力です。

88鍵

初心者がDTM中心に使うなら、扱いやすくコスパも良い49鍵や61鍵がおすすめです。これらは演奏の幅を確保しつつ、場所を取りすぎないサイズ感で人気があります。


MIDIキーボード鍵盤サイズの違い

鍵盤の「サイズ」と「タッチ感」は演奏のしやすさや表現力に直結します。特に長時間の制作や練習を考えるなら、自分に合った鍵盤サイズとタッチ感を選ぶことが重要です。

フルサイズ鍵盤

一般的なピアノと同じサイズの鍵盤で、指の動きが自然にできるため長時間の演奏にも向いていますピアノ経験者は違和感なく演奏できるのでおすすめです。正確な指使いを身につけたい方や、ピアノの練習も兼ねたい人にぴったりです。

フルサイズ鍵盤
項目サイズ
白鍵の幅(1鍵)約22.5mm程度(製品により異なる)
白鍵の長さ約150mm前後(製品により異なる)
黒鍵の幅約9〜10mm(製品により異なる)
鍵盤間の間隔ほぼゼロ(製品により異なる)
鍵盤数(例:88鍵)幅:約122cm(製品により異なる)

ミニ鍵盤

鍵盤の幅も奥行きも小さく設計されており、軽量で持ち運びに便利です。狭いデスクや外出先での使用に適していますが、演奏感はフルサイズに比べて劣ることが多いです。特に指の動きが大きい複雑な演奏には不向きかもしれません。しかし、手軽さ重視の方や初心者には十分な機能を持っています。

ミニ鍵盤
項目サイズ
白鍵の幅(1鍵)約16〜18mm(製品により異なる)
白鍵の長さ約100〜130mm(製品により異なる)
黒鍵の幅約6〜8mm(製品により異なる)
鍵盤間の間隔若干広めまたは狭め(製品により異なる)
鍵盤数(例:88鍵)幅:約100〜110cm程度(製品により異なる)

MIDIキーボードタッチ感の違い

MIDIキーボードタッチ感の違い

次に「タッチ感」ですが、これは鍵盤を押したときの重さや反発の感覚を指します。

ライトウェイト

軽い力で鍵盤を押せるタイプです。スピードを重視したフレーズの入力やシンセサイザー演奏に向いています。指への負担も少なく、長時間の作業でも疲れにくいのが利点です。打ち込み中心のDTMには特に適しています

セミウェイト

軽さと重さのバランスが良い中間タイプで、多くのユーザーに適しています。軽すぎず重すぎず、自然な演奏感が得られるため、初心者から中級者まで幅広くおすすめです。

フルウェイト(ハンマーアクション

ピアノの鍵盤のように重いタッチ感で、リアルなピアノ演奏を再現できます。感情表現が豊かにできるため、ピアノ演奏の経験がある方やクラシック音楽の制作に最適です。重量があるため慣れが必要ですが、演奏の質が格段に向上します。


MIDIキーボードの便利な追加機能

MIDIキーボード便利な追加機能

現代のMIDIキーボードには、制作を効率化し表現の幅を広げるための便利な機能が多数搭載されています。

コントローラー搭載

ノブやフェーダー、ボタンが付いており、DAWの音量調整やエフェクト操作を直感的に行えます。これによりマウス操作を減らし、制作フローがスムーズになります。たとえばエレクトロニックミュージックのライブパフォーマンスで非常に重宝します。

MIDIパッド搭載

ドラムの打ち込みやサンプルトリガーに便利なパッドが装備されており、ベロシティ感度対応のものが多いです。これにより強弱の表現も可能で、リズムトラックの制作に大きく役立ちます。特にヒップホップやEDM制作で重宝されます。

Bluetooth対応

ケーブルレスで接続できるため、デスク周りがすっきりし、設置場所の自由度が増しますスマートフォンやタブレットとの連携も簡単で、モバイル制作の幅が広がります。無線通信の安定性は機種によりますが、最新モデルは非常に快適です。

オーディオインターフェース内蔵

MIDI信号だけでなく、音声入出力も可能なオーディオインターフェースを一体化したモデルも増えています。これにより配線がシンプルになり、外部機器の接続が容易になります。省スペースで持ち運びやすい点も魅力です。

DTMに最適なMIDIキーボードおすすめモデル8選

1, M-AUDIO Keystation 61

M-AUDIO Keystation 61は61鍵のフルサイズセミウェイト鍵盤を搭載したMIDIキーボードで、シンプルな設計ながら幅広いDAWに対応します。音楽制作初心者から中級者まで使いやすく、安定した演奏感が魅力です。USB接続による低遅延で快適な演奏が可能。コストパフォーマンスに優れ、デスクトップ環境からライブパフォーマンスまで幅広いシーンで活躍します。鍵盤のタッチ感は程よく、長時間の演奏でも疲れにくいのも特徴です。

M-AUDIO Keystation 61
鍵盤数61鍵
鍵盤サイズフルサイズ
タッチ感セミウェイト
接続端子USB MIDI
寸法約1013 × 214 × 73 mm
重量約3.6 kg

初心者から中級者

2, AKAI Professional MPK mini MK3

AKAI Professional MPK mini MK3は25鍵のミニ鍵盤を採用し、軽いタッチ感で初心者にも扱いやすい設計。加えて、8つのバックライト付きパッドや8つのノブを搭載し、ドラムやサンプルの打ち込みがしやすいのが特徴です。コンパクトなボディに多機能を詰め込み、モバイルや自宅制作に最適。USBバスパワーで手軽に接続でき、幅広いDAWに対応しています。初めてのMIDIキーボードとしてもおすすめのモデルです。

AKAI Professional MPK mini MK3
鍵盤数25鍵
鍵盤サイズミニ鍵盤
タッチ感ライトウェイト
コントローラー8パッド、8ノブ
接続端子USB MIDI
寸法約305 × 195 × 58 mm
重量約1.2 kg

AKAI!!

3, NOVATION Launchkey 49

NOVATION Launchkey 49は49鍵のフルサイズ鍵盤にセミウェイトを採用し、快適な演奏性を実現。Ableton Liveとの連携に優れており、ライブパフォーマンスや制作を強力にサポートします。16個のRGBバックライト付きパッドや8つのノブ、スライダーを備え、多彩なコントロールが可能です。USBバスパワー駆動で持ち運びも楽。DAWの操作を直感的に行えるため、ライブやスタジオでの使用に適しています。

NOVATION Launchkey 49
鍵盤数49鍵
鍵盤サイズフルサイズ
タッチ感セミウェイト
コントローラー16パッド、8ノブ
接続端子USB MIDI
寸法約790 × 253 × 58 mm
重量約3.5 kg

USBバスパワー駆動

4, NOVATION FLKEY 37

NOVATION FLKEY 37は37鍵のフルサイズセミウェイト鍵盤を持ち、FL Studioユーザーのために設計されたMIDIキーボードです。ソフトとの高い互換性で操作性が優れており、パフォーマンスと制作効率を向上させます。16個のバックライト付きパッドやノブも搭載し、リアルタイムの操作も快適。USBバスパワーで接続も簡単。FL Studioに特化した設計のため、使い勝手の良さが魅力のモデルです。

NOVATION FLKEY 37
鍵盤数37鍵
鍵盤サイズフルサイズ
タッチ感セミウェイト
コントローラー16パッド、8ノブ
接続端子USB MIDI
寸法約620 × 253 × 58 mm
重量約2.5 kg

FL Studioに特化

5, Native Instruments KOMPLETE KONTROL A49

Native Instruments KOMPLETE KONTROL A49は49鍵のフルサイズセミウェイト鍵盤を備え、NKS規格対応により対応音源の操作を直感的に行えます。プロの音源制作に適した高い表現力と操作性を持ち、画面上のソフトを手元でスムーズにコントロール可能。USBバスパワー駆動で配線もシンプル。幅広い音源に対応しており、制作のスピードアップやクリエイティブな作業に役立つモデルです。

Native Instruments KOMPLETE KONTROL A49
鍵盤数49鍵
鍵盤サイズフルサイズ
タッチ感セミウェイト
対応規格NKS対応
接続端子USB MIDI
寸法約790 × 252 × 55 mm
重量約3.2 kg

プロの音源制作

6, KORG microKEY 37

KORG microKEY 37は37鍵のミニ鍵盤を持ち、軽量かつコンパクトな設計が特徴。ライトなタッチ感で持ち運びに便利です。USB MIDI接続に加え、Bluetoothモデルも用意されており、iOSやPCとの接続が柔軟に行えます。外出先やライブでのモバイル制作に最適で、コンパクトながらしっかりとした鍵盤感触も魅力。省スペースで扱いやすい人気モデルです。

KORG microKEY 37
鍵盤数37鍵
鍵盤サイズミニ鍵盤
タッチ感ライトウェイト
接続方式USB MIDI、Bluetooth
寸法約553 × 163 × 57 mm
重量約1.4 kg

省スペース

7, ARTURIA MiniLab 3

ARTURIA MiniLab 3は25鍵のミニ鍵盤を採用し、ライトウェイトで扱いやすいMIDIキーボード。豊富なソフト音源バンドルが付属し、初心者でもすぐに音楽制作を始められます。デザイン性も高く、スタイリッシュな外観が魅力。16個のバックライト付きパッドと16ノブを装備し、多彩なコントロールが可能。USBバスパワーでコンパクトかつ高機能、初心者から中級者におすすめのモデルです。

ARTURIA MiniLab 3
鍵盤数25鍵
鍵盤サイズミニ鍵盤
タッチ感ライトウェイト
コントローラー16パッド、16ノブ
接続端子USB MIDI
寸法約303 × 190 × 55 mm
重量約1.5 kg

コンパクトかつ高機能

8, IK Multimedia iRig Keys 2

IK Multimedia iRig Keys 2は37鍵のフルサイズ鍵盤を搭載し、ライトウェイトで携帯性に優れています。Lightning接続でiPhoneやiPadにも対応し、モバイルDTMに最適。USB MIDI接続も可能で、様々なデバイスで使用できます。コンパクトながら豊富なコントローラーを搭載し、外出先やライブでも快適な演奏環境を提供。初心者からプロまで幅広く支持されるモデルです。

IK Multimedia iRig Keys 2
鍵盤数37鍵
鍵盤サイズフルサイズ
タッチ感ライトウェイト
接続端子USB MIDI、Lightning
寸法約600 × 205 × 45 mm
重量約1.3 kg

初心者からプロまで

著者が、M-AUDIO Keystation 61を選んだ理由。

🤣著者は、AKAI Professional MPK mini MK3をしばらく使用していたんですが、息子に貸していたら、いつの間にか売却されていて、息子のコズカイになっていた苦い経験があります🤣


で、自分の使用用途でMK3では少し小さく感じていたのでM-AUDIO Keystation 61を購入。丁度よい大きさで扱いやすいし、見た目がプロっぽいのでモチベーションも上がってます

DTM初心者のMIDIキーボードまとめ

M-AUDIO Keystation 61を選んだ理由。
  • 鍵盤数の違いと選び方
    25鍵~88鍵まで多彩。コンパクト重視なら25鍵、演奏の幅を広げたいなら49鍵や61鍵、本格派なら88鍵がおすすめ。用途やスペースに合わせて選ぶことが重要。
  • 鍵盤サイズとタッチ感の違い
    フルサイズ鍵盤はピアノ経験者に最適。ミニ鍵盤は持ち運びや狭い場所で便利。タッチ感はライトウェイト、セミウェイト、フルウェイト(ハンマーアクション)があり、演奏スタイルや疲れにくさで選ぶ。
  • DTMに便利な追加機能
    ノブやフェーダーのコントローラー、ドラム打ち込み用のMIDIパッド、ケーブルレスのBluetooth接続、音声入出力も可能なオーディオインターフェース内蔵モデルなど、多彩な機能で制作効率アップ。
  • おすすめモデル紹介
    M-AUDIO Keystation 61、AKAI Professional MPK mini MK3、NOVATION Launchkey 49、NOVATION FLKEY 37、Native Instruments KOMPLETE KONTROL A49、KORG microKEY 37、ARTURIA MiniLab 3、IK Multimedia iRig Keys 2 の8機種を詳細スペックと特徴付きで解説。
  • 初心者向けの選び方ポイント
    扱いやすさとコスパ重視なら49鍵・61鍵モデル、持ち運び重視なら25鍵や37鍵のミニ鍵盤モデルがおすすめ。自分の制作スタイルや環境に合った機種選びが大切。

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